今までに病院や整体に行った方は自宅で出来る運動を勧められたことがあるかもしれません。ただしその方々からお話を聞くと、具体的な方法や回数まで指導はされなかったということもめずらしくありません。
たとえばこんな声も、
「先生、腰が痛くて病院に行くじゃないですか。今まで3件行ったんですけど、どこの病院でも運動を勧められたんです。 でもやり方や回数を言われなかったので本を買ってやってみたんです。 そうすると痛くて辛くて・・・。良くなりたい一心で毎日がんばってやるんですけど、逆に悪化しているような気がするんですよね。 一向に良くなる気配もないし・・・。 先生、痛いときは我慢してでも続けたほうがいいんでしょうか?」
かなりお辛そうにお話をしてくださったのを今でも鮮明に覚えています。
どうしてこの方は、まじめに通院し、自宅でも指導されたように運動をしたのに悪化してしまったのか?
ハードな運動、回数は状態次第では悪化します!
ポイントは運動の内容、回数です。
適切な運動内容であれば、しない場合より早期に回復しやすいです。
しかしながら、身体が弱っているにもかかわらず元気な時と変わらない内容では回復力よりも負担が大きくなりすぎてしまい悪化という道をたどってしまします。 特に現在は体操・ストレッチ本だけでなくTVやインターネットで簡単に身体の痛みに対する運動が情報収集できてしまいます。 それらの運動がその時々の状態に適したものかを判断するのは難しいものです。
上記の方がされていた運動も、状態に対してハードなものでした。元気な方であれば筋肉の強化につながっていたでしょう。 身体が弱っているため刺激量に身体が耐え切れなかったのです。
当院では
この場合、まず状態把握を徹底し、
- 安静にした方がよいのか?
- 自宅で出来る運動をしてもらったほうが早くよくなるのか?
を具体的な内容まで踏み込んでお伝えしていきます。
以下、当院が行っている自宅指導法です、参考にしてみてください。
痛み具合ごとの対処法
激烈炎症期
激痛で少し動かすことも難しい。動けない程に強い痛みがある時期
この時期はとにかく安静です。運動どころではありません。とにかく楽な姿勢を見つけて、力を抜いてリラックスに努めて下さい。やれることは、手が借りられるのであれば、保冷剤やシップではなく、氷と水で氷のうを作ってもらって患部を寒くならない程度まで何時間でも冷やしてください。早くてその日に、どんなにひどくても・長くても3日ほどで激痛は収まります。※このとき、お酒やタバコ・お風呂など温めてしまうことは絶対禁忌です。
急性期
強い痛みを伴うが、動けないほどでもない。立って歩くことが出来る時期
この時期は、同じ姿勢が苦しくなる時期です。当院ではこの時期から施術の際に回復に必要な運動を具体的にお伝えしていきます。悪化するような無理な提案はしません。自宅でどう過ごしたら早く楽になれるか?なども当院にて、合わせてお伝えします。対処としては、①と同様よく冷やしつつ、骨折などの外傷症状でなければ、少しでも動くようにしてください。 じっとしていたら良くなるものも良くなりません。
高原性経過期
痛みはかなり引いてくる時期。組織が回復途中で、再負傷しやすいので注意が必要
痛みが落ち着いてきて安心してしまう時期で、最も注意が必要です。この時期の過ごし方は、仕事やスポーツ・重労働などは6〜7割程度で行うことが望ましいです。 当院でもこのステージで機能回復のため、本格的に運動を増やしていきます。お伝えする内容をきちんと守っていただければ、早い回復へ一歩一歩確実に近づきます。